2013年2月2日土曜日

EK9シビックで、テクトムCMX100-H2(ホンダ国際規格OBD2コネクタ用)の接続実験

EK9シビックはJ-OBD2と言う診断規格が義務化される10年以上前に製造されたクルマなので、当然OBD2機器には対応していないのですが、テクトムの
 CMX100 H2
という、OBD2国際カプラーの付いたHONDA車用の小型マルチメーターは、最近主流になりつつあるCAN OBD通信への対応品ではなく、EK9にも付いている旧式のK-Line通信で動作しているらしいので、いつか試してみようと思っていたところ・・・

たまたま
 TECTOM CMX100 H2
が、手に入ったので試してみる。


 メーカーが全く保証していないことを、勝手にやっているので、当然自己責任です。

ホンダ国際規格OBDコネクタ用TECTOM CMX100-H2


テクトム CMX100 H2付いているOBD2コネクター部に刺さっているピンと、OBD2規格コネクターの一般的なピンアサインに照らし合わせると
 4pin SG
 8pin 規定なし
 7pin K-Line
 9pin 規定なし
 12pin 規定なし
 14pin CAN L
 16pin +B
他は未接続。

でも、このピンアサインを見て気になることが2点ほど
●気になる其の1
14番ピンはCAN Lのハズですが、必ずセットなる相方の6番ピンのCAN-Hが接続されていません。(ま、CMX100-H2の作られた時代のHONDA車は、CAN通信自体がありません。軽く調べた感じではパワステだかエアバック系につながるK-Lineのようです。)
さらに別売りのテクトムのOBD II中間ハーネスを見ると、14番ピンに繋いであるハーネスはIGに接続するように指示があり、テスターで調べると中間に抵抗(1kΩ?)を介してありました。
推測するに、CAN信号を読んでいるのではなくCAN信号の有り無しを見て、ABS/SRSのDLC信号の有り無しを見て、CMX100の電源ON-OFFをしているっぽい?

●気になる其の2
8,9,12番ピンはOBD 2の規格通りならば、特に規定されていない空きピンのハズです。
空きピンは各メーカーが独自の通信に使ってもいいらしい?ので、ホンダ独自の通信信号線?

CMX100の電源が切れなくなる車種用の対策品としてオプション発売されていた変換アダプターの配線を見たところ

OBDコネクタ用TECTOM CMX100-H2用変換コネクター


左がテクトムの変換コネクタのメスのOBD2カプラー。右がCMX100-H2のオスのOBD2カプラー。
なぜか配線の本数が違うし。

TECTOM CMX100-H2のOBDⅡコネクター


変換コネクタには
 8pinと、12pin
が付いていないので無視して良さそう?

残った9番ピンは、調べたところSGの4番ピンとショートさせることで、旧ホンダ独自の診断カプラーでいうところの2ピンのショートカプラーと同等のことが出来るっぽい?ので、EK9の配線図に書いてある「サービスチェックカプラー用」のECU側に当たる茶相当?


CMX100 H2のピンアサイン解析結果
最近のOBD2通信機器でよく使われるCAN通信は使っておらず、噂通りK-Lineを使った通信のようなので、K-Line通信しか持っていない旧式の診断カプラーの付いたEK9でも動きそう?
(CMX100-H2の作られた時代には、HONDA車ではCAN通信自体が採用されていません。)

解析を元に、EK9のサービスマニュアルの配線図と、
 テクトムCMX100 H2
の配線を照らし合わせると

CMX100 H2のOBD2カプラーEK9の旧診断カプラー
4pin SG2pinカプラーの黒
3pinカプラーの茶/黒
7pinK-Line3pinカプラーの水色
9pin(サービスチェック?)2pinカプラーの茶
14pin EPS,SRSのK-LineIG電源との間に 1kΩを噛ませて接続
16pin +B3pinカプラーの白/赤

という接続で、良さそうです。


H1と、H2の比較。
左がCMX100-H2、右がCMX100-H1で、本体の見た目はいっしょです。

HONDA車用テクトムCMX100新旧比較


車体への接続コネクター。
左がCMX100-H2(OBD2コネクター)、右がCMX100-H1(旧診断コネクター)。

HONDA車用テクトムCMX100接続コネクター新旧比較


ついでにEK9 CIVIC側の診断カプラー(青の2ピンと、3ピンの雌コネクター)。通常は、奥に見える緑色のゴム製グロメットに刺さっています。OBD0?、OBD1?とか言う事も有るらしい?。
(EK9にOBD2のメスコネクターは付いていません。シビックにOBD2のコネクターが付いたのはEP3からですが、EP3もK-Lineのみ。)

HONDA EK9 CIVIC用旧診断機接続カプラー


参考まで、EK9 CIVICにはOBD2カプラーは付いていないので、実家のJB6ライフのOBDカプラーの写真。

JB6 LifeのOBD IIカプラー


CMX100-H2に付いているOBDカプラーから端子を引っこ抜き、先ほど解析したピンアサインに合わせた接続先に接続。

OBD2コネクターのピン引き抜く


電源ON時の表示

HONDA車用テクトムCMX100動作実験電源ON


「H2」ですよと

HONDA車用テクトムCMX100動作実験H2表示


rpn表示で「回転数表示モード」

HONDA車用テクトムCMX100動作実験回転数表示モード


考え中?数字が出ない (*_*)

HONDA車用テクトムCMX100動作実験表示考え中


エラーになった orz

HONDA車用テクトムCMX100動作実験Err表示


結線を再確認してやり直したけど、やっぱりダメ。CMX100 H2もK-Line通信で間違いないハズなんだけどな~。

失敗。敗因は・・・
 ・CMX100-H2になんらかのガードがかかっているかもしんない?(そもそも繋がる保証無いし。)
 ・K-Line通信の互換性の問題か?
 ・オイラのピンアサインの推測外れ?
怪しい部分は色々ある。


堕話
時々
 EK9 CIVICをOBD2化した
的な、情報を見る事もあるのですが、
 EK9 CIVICのK-Lineを、OBD2カプラーに結線した
と言うことを指していると思っているのですが???(不明)

どちらにしろ、2008年10月以降の新型車に義務化されたJ-OBD2に対応するCANという通信自体持っていないので、J-OBD2対応の機器は間違いなく使えないハズ。

ま、一般でOBD2と呼んでいる規格は、CAN、K-Line、SAE-1850等の複数の通信形式のピンアサインを規定して1箇所に同居させたコネクターでしかありません。どの通信を使うかはメーカー次第。更に空きピンを使いメーカー独自の通信ラインを設けることも許されているので、単純にOBD2対応機器だからとOBD2カプラーがあるクルマに繋いでも、使っている通信規格やプロコトルが違うせいで使えないという場合がかなり多いです。

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